「相撲の魅力ってどんなのか知りたい・・・」
「初心者向けに相撲とは何なのか?歴史や起源、基礎知識を知りたい・・・」
「相撲が最近好きになった人」や「これから相撲を知りたいって思ってる人」
「すでに好きだけどもっと相撲を知りたい!」という人はこのように思っていると思います
そこで、今回は相撲ファン歴10年以上の私が
「相撲の魅力とは何なのか?」
「相撲はどのように生まれたのか?」
「相撲のルール・基礎知識とは?」
これらのトピックで相撲について解説していこうと思います
実際に大相撲観戦へ行きたいと考えている人は、「何日目に行けばよいのか?」や「チケットの取り方」などの「相撲観戦に行くまでに思う疑問」を以下の記事で徹底解説しているので、参考にしてみてください

相撲とは?【起源・歴史】
「相撲」とは、古来日本から伝わる伝統的な格闘技のことで、約1500年以上の歴史があると言われています。
相撲の起源は文献が残っていないケースもあるので様々な説がささやかれますが、日本の「神話」である『古事記』(こじき)や『日本書紀』(にほんしょき)に出てくる神々の「力くらべ」が起源だと言われています
『古事記』では、タケミナカタとタケミカヅチが『日本書紀』では野見宿禰(のみすくね)と当麻蹴速(たいまのけはや)の決闘が記されています。
また、日本の天皇を中心とし、貴族の優雅な文化(国風文化)が栄えた平安時代。この時代に朝廷の年中行事として行われていた「相撲節(すまひのせち)」が相撲の起源であると言われることもあります
「相撲節」では、豊作を願う「五穀豊穣」や国の安定・繁栄を願う「国家安泰」などの神事として相撲が行われてきました
そのため、現代でも「土俵祭」として「五穀豊穣」や「国家安泰」などは伝統的に継承されています
その他にも、「相撲節」で行われていた様式・作法が現在でも残っているなど、現在の相撲にとっての基盤を作り上げたと言っても過言ではないほどの行事だったことがわかります
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最近では、外国人からの人気も凄まじく、海外では「sumo」、「sumo japan」とも呼ばれています
そんな人気急上昇中の「相撲」、どんな魅力があるのでしょうか?
相撲の魅力
奈良・平安時代を中心に相撲節で行われてきた「相撲」、江戸時代に入ると「芸能」などと同じ分類で「庶民の娯楽」の対象として楽しまれていきます。このように、江戸時代には今の「大相撲」の基本形となる「相撲」が生まれていきました。そのように時代を経て、今の形へと変化していった「相撲」の魅力を解説します
江戸時代~現代までの相撲の歴史や移り変わりは以下の記事で詳しく解説しています

ここでは、4つの点で相撲の魅力を解説していこうと思います
- ルールの単純さ
- 100kg~200kg越えの男たちがぶつかり合う迫力
- 体重による階級がない
- 伝統と格式の美しさ
以下で、それぞれについて詳しく解説していきます
ルールの単純さ
相撲は他の格闘技と比較すると、1番勝負のつき方が単純なのではないでしょうか
相撲の勝敗のつき方は2種類しかありません
- 足の裏以外の体の部位が相手よりも先に地面につく
- 相手よりも先に体の部位が土俵の外に出る
【例】相手に投げられて背中がついてしまうと負け・相手に土俵の外に押し出されると負け
しかし、このような単純なルールの中で繰り広げられる細かな技術の出し合いや豪快な投げ技が相撲の魅力の1つです
土俵とは?
土俵とは、相撲の勝負が行われる円形の競技場のことを言います。ボクシングで言う「リング」のことです

1辺が約6.7m(約3尺6寸)の正方形の土台の上に、直径約4.55m(15尺)の円形の土俵が作られており、土俵の中は「神々が宿る神聖な場所」になっています
土俵の素材は粘り気のある荒木田土(あらきだど)という土で作られていて、土俵の周りを囲っているものを「俵(たわら)」と言います。俵の数は合計で20個と決められており、勝敗を決めるための明確な境界線としての役割や土俵際での技術的な攻防を生むという役割があります
また、土俵は「女人禁制」とされていて、女性が本場所や巡業の土俵の上に上がることは原則禁止となっています。これは、土俵は神が宿る神聖な場所であり、神道的な「清め」の観点などの「神事の伝統」や「歴史的経緯」が関係しています
また、土俵の原型は織田信長の時代に形作られたと言われており、織田信長自身は「大の相撲好き」だったことが知られています
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迫力が桁違い
力士の体重は身長などによって個人差はありますが、約100kg~200kgあります
外国人として初めて大関になった「小錦関」なんかは、285kgもありました。相撲界では、100kgが小さいという信じられない世界なんです
そして、その巨漢の力士たちが全力でぶつかり合ったときの衝撃は1t以上にもなると言われています。そのため、力士同士がぶつかったときの衝撃や音はとても迫力があります
また、ぶつかり合うことを「立ち合い」と言って、互いに呼吸を合わせて立ち合い、ぶつかります。この立ち合いの緊張感と繊細さも相撲が魅力的な要因の1つですね
また、力士はよく「太っている」と言われますが、力士の体は鍛え上げられた筋肉でできています。その証拠に、握力が100kgを超える力士や体脂肪率が10%台の力士も存在します
このように、パワーの源のような存在である力士がわずか70cmの仕切り線をまたいで全力でぶつかり合う迫力は桁違いです
体重による階級がない
先ほども少し述べたように、力士の体重には個人差があり、200kgを超える大きい力士から100kg前後しかない小さい力士が存在します
しかし、相撲は体重による階級制がない無差別競技なので、これらの力士が同じ条件・同じ場所で戦います
小さい力士のことを「小兵力士(こひょうりきし)」と言って、相撲で小兵力士は体が小さい分不利と思われます。しかし、体が小さいという特性を生かした「スピード」や「多彩な技術」で横綱まで上り詰めた小兵力士も存在するほど、体の大きさだけでは勝敗が決まらないという所が相撲の魅力の1つです
「小さい力士が大きい力士を投げ飛ばしたり」、「大きい力士同士の衝撃の大きい立ち合い」など、体の大きさによって生まれる様々な逆転劇や圧倒的さが相撲のとても面白いところです
伝統と格式の美しさ
最初の方で解説したように、相撲には1500年以上の歴史があります
そのため、「相撲」には日本の「伝統・様式・格式・作法」がたくさん反映されています。相撲を見ていると様式の美しさや日本の文化に触れている実感があって、とても感慨深いものがあります
日本の伝統を継承し、表している事柄
- 力士が結っている髷(まげ)
- 四股(しこ)
- 塩まき
- 塵手水(ちりちょうず)
- 蹲踞(そんきょ)
- 力水・力紙(ちからみず・ちからがみ)
- 手刀(てがたな)
などの古来日本で行われていた作法や儀式が基になって、現在まで継承され続け、行われています
「四股」などの詳細な解説はこのページの下でしているのでそちらをご覧ください
まとめると、「ルールの単純さが生み出す豪快さや繊細さ」「力士がぶつかり合う迫力」「無差別級ならではの逆転劇や圧倒的さ」「日本の伝統や様式を反映している」という点が「相撲」の魅力だと考えています
見る人によって視点の違いもあるので、様々な意見があると思いますが、無限の楽しみ方があるのも「相撲」の良いところだと思ってます。なので、皆さんも相撲の魅力を意識しながら自分なりの楽しさを見つけていってください!
ここからは、相撲を見る際に知っておくべき基礎知識について解説していこうと思います
反則技(禁じ手)
先ほど述べたように、相撲の勝敗のつき方は
- 足の裏以外の体の部位が相手よりも先に地面につく
- 相手よりも先に体の部位が土俵の外に出る
の2種類でしたよね
ここでは、それに加えて相撲の反則技(禁じ手)について解説していきます
- 握りこぶしで殴る(グーパンチをする)
- 髷をつかむ
- 目やみぞおちなどの急所を突く
- 両耳を同時に両方の掌(てのひら)で張る
- 前縦褌(まえたてみつ)を掴む、または横から指を入れて引く
- のどを掴む
- 胸・腹を蹴る
- 指をもって折り返す
1つ目は、その名の通り、グーで殴ってはいけないというルール
2つ目は、相手を叩き落とす際などに髷を掴むと反則になるというルールです。これが相撲の取組で1番よく見られる禁じ手だと思います

3つ目は、目やみぞおちなどの急所を故意に狙ってはいけないというルール
4つ目は、相手の両耳を同時に両掌(りょうてのひら)で張ってはいけないというルール
5つ目は、前縦褌を掴んだり、横から指を入れてはいけないというルール

6つ目は、のどを掴んではいけないルールです。しかし、のどを押す「のど輪」はれっきとした相撲技の1つです
7つ目は、胸・腹を蹴ってはいけないというルール
8つ目は、指をもって折り返してはいけないというルール(相手の指を相手の甲の方に曲げること)
一門と相撲部屋
一門
相撲を見ていて、「一門」という語をよく聞く人も多いんじゃないでしょうか?ここからは、相撲における「一門」について解説していこうと思います。
相撲における「一門」とは、伝統的に継承される複数の相撲部屋が集まってお互いに助け合うためのグループのことを言います
助け合うと言っても種類があって、「親方間での相撲部屋運営のノウハウの提供」、「一門同士の力士の育成」などがあります
そのため、一門内では、力士の育成を目的とした「連合稽古」を行うことがあり、それぞれの一門ごとに稽古を行うことがあります
また、これら以外にも様々な場面で同じ「一門」内の相撲部屋同士は関係を持っています
今、それぞれの一門ごとにと言いましたが「一門」はいくつあるのでしょうか?
結論、一門は5つあります
- 出羽の海一門(でばのうみいちもん)
- 二所ノ関一門(にしょのせきいちもん)
- 時津風一門(ときつかぜいちもん)
- 高砂一門(たかさごいちもん)
- 伊勢ケ濱一門(いせがはまいちもん)
に分かれています
そして、「すべての相撲部屋はこれら5つの一門のうち、どれかに所属しなければいけない」というルールがあるため、それぞれの相撲部屋は各一門のどれかに所属しています
5つの「一門」ごとの詳しい特徴や2014年~2018年にだけ存在した「幻の6つ目の一門」について詳しく知りたい方は以下の記事で詳しく解説しています

相撲部屋
力士は「必ずどこかの部屋に入門・所属しないといけない」というルールがあります
そのため、力士は必ずどこかの部屋に所属しています
そして、先ほど述べたように「相撲部屋」は必ずどこかの「一門」に所属しないといけないというルールがあるため、一門 >相撲部屋 >力士という構造になっています
以下では、2026年3月現在の一門ごとの相撲部屋を見ていきましょう
部屋総数:45部屋
出羽の海一門
- 出羽の海部屋(でばのうみべや)
- 春日野部屋(かすがのべや)
- 立浪部屋(たつなみべや)
- 藤島部屋(ふじしまべや)
- 山響部屋(やまひびきべや)
- 玉ノ井部屋(たまのいべや)
- 式秀部屋(しきひでべや)
- 雷部屋(いかづちべや)
- 境川部屋(さかいがわべや)
- 木瀬部屋(きせべや)
- 尾上部屋(おのえべや)
- 武蔵川部屋(むさしがわべや)
- 二子山部屋(ふたごやまべや)
- 武隈部屋(たけくまべや)
二所ノ関一門
- 二所ノ関部屋(にしょのせきべや)
- 佐渡ヶ嶽部屋(さどがたけべや)
- 片男波部屋(かたおなみべや)
- 大嶽部屋(おおたけべや)
- 髙田川部屋(たかだがわべや)
- 湊部屋(みなとべや)
- 田子ノ浦部屋(たごのうらべや)
- 放駒部屋(はなれごまべや)
- 阿武松部屋(おうのまつべや)
- 芝田山部屋(しばたやまべや)
- 錣山部屋(しころやまべや)
- 湊川部屋(みなとがわべや)
- 鳴戸部屋(なるとべや)
- 西岩部屋(にしいわべや)
- 押尾川部屋(おしおがわべや)
- 中村部屋(なかむらべや)
- 秀ノ山部屋(ひでのやまべや)
時津風一門
- 時津風部屋(ときつかぜべや)
- 伊勢ノ海部屋(いせのうみべや)
- 追手風部屋(おいてかぜべや)
- 荒汐部屋(あらしおべや)
- 音羽山部屋(おとわやまべや)
高砂一門
- 高砂部屋(たかさごべや)
- 九重部屋(ここのえべや)
- 八角部屋(はっかくべや)
- 錦戸部屋(にしきどべや)
伊勢ケ濱一門
- 伊勢ヶ濱部屋(いせがはまべや)
- 大島部屋(おおしまべや)
- 浅香山部屋(あさかやまべや)
- 朝日山部屋(あさひやまべや)
- 安治川部屋(あじがわべや)
このように、相撲部屋は5つの一門ごとに分類することができ、相撲界に何か変革が起きない限りは、この5つの一門の存在は揺らがないでしょう
大相撲開催頻度と場所による呼び方
「相撲がいつ開催されているのかわからない・・・」という方のために大相撲の年間スケジュールをまとめてみました
現在の大相撲本場所は年間6場所開催されており、その合間を縫うように地方巡業が行われています
以下では、本場所の開催時期・場所、巡業の開催時期・場所をまとめます
本場所開催時期と場所による呼び方
- 1月場所(東京・両国)→初場所
- 3月場所(大阪)→春場所
- 5月場所(東京・両国)→夏場所
- 7月場所(名古屋)→名古屋場所
- 9月場所(東京・両国)→秋場所
- 11月場所(福岡)→九州場所所(福岡)→九州場所
巡業開催時期と場所
- 4月春巡業(近畿、東海、関東)
- 7月末~8月夏巡業(東北、北海道、信越)
- 10月秋巡業(東海、北陸、関西、中国、四国)
- 12月冬巡業(九州、沖縄)
本場所と巡業を合わせた年間スケジュールを作成すると、
年間スケジュール
- 1月場所(東京・両国)→初場所
- 2月(なし)
- 3月場所(大阪)→春場所
- 4月春巡業(近畿、東海、関東)
- 5月場所(東京・両国)→夏場所
- 6月(なし)
- 7月場所(名古屋)→名古屋場所
- 7月末~8月夏巡業(東北、北海道、信越)
- 9月場所(東京・両国)→秋場所
- 10月秋巡業(東海、北陸、関西、中国、四国)
- 11月場所(福岡)→九州場所
- 12月冬巡業(九州、沖縄)
このように、本場所が奇数月に対して巡業が基本的に偶数月に行われることがわかると思います
番付について
次に、相撲の番付について解説していきます
相撲を見ていても「番付の意味」が分からなかったり、「いくつあるのか?」もわからない方もいると思います。そこで、ここでは「番付とは?」「番付の種類」「番付の見方」について解説していきます
番付とは?

相撲における「番付」とは、力士の強さの序列を表すことそのものを言い、それを上の画像のような表にまとめたものを「番付表」と言います
番付の始まりは江戸時代と言われていて、勧進興行のさいに力士の一覧を木の板に書いた「板番付」が最初と言われています。板番付は東西分けて1枚ずつ力士の名前が書いてある番付表でした
現在の番付は行司が書く「相撲字」と呼ばれる隙間の少ない文字で「右側に東の力士」「左側に西の力士」が書いてあります
そして、本場所15日間で勝ち越せば番付が上がり、負け越せば番付は下がります
※勝ち越し(8勝7敗より勝ち星が多い場合)、負け越し(7勝8敗より勝ち星が少ない場合)
また、力士だけでなく行司にも番付が存在するのも特徴です
番付の種類
現在の番付は大きく分けて6つに分類することができます
以下では、それを見ていきましょう
- 幕内(幕の内)(まくうち・まくのうち)
- 十両(じゅうりょう)
- 幕下(まくした)
- 三段目(さんだんめ)
- 序二段(じょにだん)
- 序の口(じょのくち)
この表の上から順に強い順番になっていきます
そして、幕内・十両になると力士ではなく、「関取」(せきとり)という呼び名に変わります。「関取」とは、強い力士に付けられる名前が由来で、現在では「幕下以下」と「十両以上」つまり、関取と関取じゃない力士とは天と地ほどの待遇の差があります
ここまで、6つに分けてみてきた番付ですがそれぞれの番付ごとにも序列が存在します。
以下では、各階級ごとの序列を解説していきます
幕内
幕内の番付は大きく分けて5つに分類することができます
幕内(幕の内)
- 横綱(よこづな)
- 大関(おおぜき)
- 関脇(せきわけ)
- 小結(こむすび)
- 前頭(まえがしら)
横綱は皆さんご存じのように大相撲の最高位に位置する階級です
その下に大関・関脇・小結と並びますがこの3つをまとめて三役(さんやく)と呼びます
「強い人が大関になる。強くて品格を持ち合わせた人だけが横綱になれる」と言われるほど横綱・大関という地位は相撲界にとって、とても大きな力をもっていることがわかります
そして、三役の下に位置するのが前頭(まえがしら)で現在の幕内には1~17枚目まで存在しています。また、幕内以外のすべての階級に共通することですが、一枚目のことを筆頭(ひっとう)と呼びます
そのため、幕内には前頭筆頭~前頭十七枚目まで存在しているという言い方になり、さらに前頭を総称して平幕(ひらまく)と言います
よく、平幕優勝と言われるのは平幕の力士が優勝した時に言われる言葉で、この番付上の呼び名からきていたんです
また、現在は前頭が十七枚目までと説明しましたが、幕内の定員が42名と決まっているため、それに伴って平幕の人数も変動することを頭に入れておきましょう
十両
十両の定員は東西合わせて28名であるため、東十両(筆頭~十四枚目)、西十両(筆頭~十四枚目)まで存在します
先ほども説明した通り、「十両」から「関取」になることができるため、十両に上がったタイミングが一番うれしかったと話す人も多いんです
小ネタ
元:71代横綱・鶴竜(現:音羽山親方)は、現役生活で一番印象に残っている取組として、横綱時代の取組ではなく十両昇進を決定付けた「対:流鵬」の取組を挙げています
それだけ、関取になるというのは力士にとって大きなものです
幕下
幕下の定員は東西合わせて120名であるため、東十両(筆頭~六十枚目)、西十両(筆頭~六十枚目)まで存在します
幕下以下は本場所15日間で7番、相撲を取ります。そのため、取組の数でも関取との違いがあります
大相撲の世界に入門する前に、大学などのアマチュア相撲で好成績を収めた力士は「幕下最下位格付け出し」として前相撲・序の口・序二段・三段目を飛ばして幕下六十枚目から付け出しデビューができる制度があります
幕下で負け越すと、1点につき5〜10枚程度降下することに加えて、 十両を目指す強い力士が多くいるため、幕下は「十両(関取)」の壁が厚く、競争が最も激しい階級とされています
三段目
三段目の定員は東西合わせて160名であるため、東十両(筆頭~八十枚目)、西十両(筆頭~八十枚目)まで存在します
勝ち越せば幕下へ、負け越せば序二段へ降格する、入れ替えの激しい階級です
また、 三段目以上の力士は、着物の上に「羽織」を着用し、足元に「雪駄」を履くことが許されます。
序二段・序の口
序二段・序の口に明確な定員数は定まっておらず、力士の数によって変動します
上位を狙って必死に相撲を取る力士ばかりで、これから上に上がっていくようなとても素質のある力士もたくさんいるのが特徴です
前相撲(まえずもう)
先ほど少し話に出た前相撲ですが、これは番付とは違っていて「新弟子検査」に合格した「新弟子」が初めて相撲を取る場のことを言います
これから「大関・横綱」へと番付を上げていくようなホープの初土俵を見られるのも前相撲の特徴です
番付の見方
番付表を見てみると真ん中を境にして右と左に分かれているのが分かると思います
これは、方角の東西に合わせられていて、「右が東」「左が西」を表しています。番付を知る上で、この東と西はとても大事な要素なのでぜひ覚えておきましょう
どう大事かと言うと、番付上では「西の力士」よりも「東の力士」の実力が上という意味になっています。なので、同じ横綱という地位でも「西の横綱」よりも「東の横綱」の方が番付上は上ということになります
ちなみに、番付には、~枚目という番付がありますが、これは数字の数が小さい力士ほど強いことを表しています
また、番付表は行司が手書きで「相撲字」を書いて作成されるのですが、この字にも強さによって違いがあります。番付が上の力士ほど字を大きく、太く書き、横綱は特に大きく書かれるという特徴があります
相撲の基礎知識~取組前~
ここからは、相撲を見る際に知っておくべき基礎知識について解説していこうと思います
知ってると面白い少しマニアックな相撲豆知識については以下で詳しく解説しています

ここまで解説してきて、力士についてと力士が相撲を行うルール、相撲を行う競技場である土俵について理解していると思います
以下では、実際に相撲を見ていると目の当たりにする順序で解説していきます!
花道(はなみち)
力士が土俵へ入るときに通る、支度部屋から土俵までの通路を「花道」と言います
花道は東と西に分かれていて、「東の花道には番付が東方の力士」「西の花道には番付が西方の力士」が通ります
力士は花道を通って土俵の下へ向かい、自分の取組で呼び出しに名前が呼ばれるまで土俵下で待機します
呼び出し
相撲の取組では、まず「呼び出し」という役職の人が力士の四股名(しこな)を読み上げて、読み上げられた力士は東西から土俵へ上がります

土俵へ上がる際は、土俵下にいる審判員の前を通って土俵に上がるため審判員に軽くお辞儀をします
四股(しこ)

土俵へ上がった後、相手に対して一礼をし、お互いに土俵上で自分の歩いてきた花道の方を向きます
そして「四股」を踏みます
四股は悪霊や悪いものを踏み固めて鎮め、邪気を払って清めるという意味があります
力水(ちからみず)

土俵上で取組を行う力士は「前の取組に勝った力士」か「次の控え力士」から柄杓に水の入った「力水」をもらいます
口に水を含んで「力紙」という紙で口を覆って水を捨て、口を拭きます(たまにそのまま飲む人もいます)
「力水」には、口をゆすいで清めるという意味があります。よく神社でも行う、口をゆすぐ行為と同じ意味を持っています
しかし、この「力水」とこの後に説明する「塩まき」は十両以上の関取同士の取組でしか行われません
塩まき
力水の後は土俵上に塩をまいて清めと自身の安全を祈願します。これを「塩まき」と言います
塩をまく量は力士がそれぞれ決めてよく、たくさんまく人から少ししかまかない人までいます

塵手水(ちりちょうず)
四股のあとは、塵手水を行います
塵手水の所作の順番は以下の通りです
- 自分の体の前で手をたたく
- 叩いた手をもむ動きをする
- 手を開いて上にあげ、手の甲を返す


「塵手水」は、「手に武器を持っておらず、正々堂々と戦う」ということを意味しています
蹲踞(そんきょ)

塵手水が終わったあとは、仕切り線まで移動して再び四股を踏みます
四股が終わると蹲踞(そんきょ)を行い、相手との呼吸を合わせていきます
ちなみに、蹲踞をして相手との呼吸を合わせることを「仕切り」と言います
「蹲踞」はひざを曲げてかかとを拳一つ分あげた体制のことを言います
軍配を返す(ぐんばいをかえす)
現在の大相撲では、取組ごとに制限時間が設けられています。なので、制限時間がいっぱいになると行司は腰を落として正面を向きます。このことを「軍配を返す」と言います
相撲中継などでも「軍配が返りました」と言っているのは、この行司が正面を向きいよいよ立ち合いが始まるという事を表しています
ちなみに、軍配が返る前、つまり制限時間いっぱいになる前に立ち合っても良いですが現在の大相撲ではあまり見られません
制限時間とは?
制限時間とは階級ごとに決められている取組の時間のことで、この時間制限が終了すると「待ったなし」となり、制限時間いっぱいとなります
ちなみに制限時間は、幕内で4分、十両3分、幕下以下2分と決められています
ルール上はこの制限時間よりも前に相手との呼吸が合えば立ち合いをしても良いのですが最近は見られないですね
昭和の取り組みを見ると時間前の立ち合いが多々見られます
小ネタ
有名な話で言うと、第69代横綱の白鵬関が十両時代に同期である第70代横綱の日馬富士関(当時の安馬)との初対戦で時間前に立ち合いをしていました
この2人は同期ということもあり、初対戦が叶うなら時間前に立とうという約束があったようです
立ち合い(たちあい)

軍配が返ったらいよいよ「立ち合い」です
「立ち合い」とは、仕切りを終えた力士同士が、呼吸を合わせて激しくぶつかり合う取り組みの開始の瞬間ことを言います
「立ち合い」は両者の両拳が地面につくと始まるというルールで、「相撲」では立ち合いが全てとも言われるほど勝負を左右する重要な瞬間なんです
また、立ち合いの時に相手との呼吸が合わずに「仕切り」を仕直すこともあります。これは「仕切り直し」と呼ばれていて、両者は蹲踞からもう一度呼吸を合わせていきます
手刀(てがたな)

立ち合いが行われて勝敗が決まった後には、勝ち力士は懸賞をもらえます
そして、懸賞をもらうときに「左・右・真ん中」の順で「手刀」を切ります
手刀を切る意味には諸説はありますが、『古事記』に登場する以下の三神に感謝を示す意味があると言われています
- 左: 神産巣日神(かみむすびのかみ)
- 右: 高御産巣日神(たかみむすびのかみ)
- 中: 天御中主神(あまのみなかぬしのかみ)
また、「心」の字を空中で書いているという説もあります
懸賞をもらったら、土俵に一礼してから土俵を降り、「花道」を通って支度部屋へ戻っていきます
相撲の基礎知識~取組中~
ここまで、取組前に行われる相撲の儀式について解説してきました。ここからは、相撲の取組中で行われる「右四つ」「左四つ」などの技の基礎知識について解説していきます
右四つ・左四つ
組み手とは相手の廻しをつかむ型のことを言って、相撲の組み手には、右四つ、左四つ、もろ差し、外四つがあります
これらの説明をする前に上手と下手について説明しておくと
廻しをつかんだ時に相手の手より上にあるのが上手、相手の手より下にあるのが下手です
それを踏まえて順に説明すると
- 右四つ:自分の右手が下手、左手が上手の状態
- 左四つ:自分の右手が上手、左手が下手の状態
- もろ差し:両手とも下手をつかんでいる状態
- 外四つ:もろ差しの反対で、両手とも上手の状態

出典:大相撲見物便覧
「基本的なテクニック」
https://tsubotaa.la.coocan.jp/binran/binran_t.html

出典:大相撲見物便覧
「基本的なテクニック」
https://tsubotaa.la.coocan.jp/binran/binran_t.html

出典:大相撲見物便覧
「基本的なテクニック」
https://tsubotaa.la.coocan.jp/binran/binran_t.html
差し手争い(さしてあらそい)
そもそも差すとは、自分の腕を下手に持ってくる技術のことを言います
四つに組む力士ならそれぞれに得意な型があって、自分の得意な型になれるかどうかが勝敗を大きく左右してきます
そのため、「右を差したい」「左を差したい」といった勝負が起こります
この勝負を差し手争いと言います
ちなみに、自分の型に差した方を差し勝ったと言います
相四つ、喧嘩四つ(あいよつ)(けんかよつ)
廻しをつかむ得意な型が同じ型同士の場合を「相四つ」と言います
例えば、自分も相手も「右四つ」の型が得意な場合。お互いの腕が交差することなく、きれいに自分の型になるのでがっぷりと「力と力の勝負」になることが多いです
廻しをつかむ得意な型が異なる型同士の場合を「喧嘩四つ」と言います
例えば、自分が「右四つ」で相手は「左四つ」が得意な型な場合。「自分は右手を差したいけど、相手は左手を差したい」というようなどっちの腕が相手の腕より下で廻しを取れるかという「技術争いの勝負」になることが多いです
自分の型になると絶対に勝てるとは言い切れませんが、自分の型になった方が確実に勝率は上がると言えます
現在の幕内なら、「左四つの若元春関」と「右四つの朝乃山関」の喧嘩四つの取り組みを見てると、とても面白いですよね
どっちが差し勝つのかワクワクしながらいつも見ています
このように、差し手争いや得意な型などを知っていると「相撲」を見るのがより楽しくなります!
物言い(ものいい)
勝敗がついて、ギリギリの勝負だった際に行司の軍配に「待った」をかけて勝負結果をもう一度協議することを「物言い」と言います
相撲の取り組みには行司の他に、土俵下に正面に1人(審判長)、東に1人、西に1人、向正面に2人と合計で5人の審判がいます
そして、これらの審判が行司の軍配に対して疑問を持った時に「物言い」をつけて、協議します
協議の結果、軍配通り、軍配差し違え、取り直しのどちらかが決まります
- 軍配通りなら、そのまま最初の結果で終了
- 軍配差し違えなら、最初の結果で負けと下された方が勝ち
- 取り直しなら、もう一度相撲を取り直す
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は「相撲の起源」から始まり、「相撲の魅力」、「相撲部屋と一門」、ルールや番付、儀式などの「相撲の基礎知識」を解説していきました。
「相撲を初めて見る方」や「見ていてもわからないことがある」という人は「相撲」のことについて少しでも詳しくなれたんではないでしょうか?
今回の記事を読んで、より「相撲」のことを好きになってくれる人が1人でもいると嬉しいです!
最後までご覧いただき、ありがとうございました!


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